【第20次公募スタート】ものづくり補助金 活用完全ガイド|製造業の未来を拓くチャンス

こんにちは。製造業収益改善パートナーの北澤です。

いよいよ「ものづくり補助金」の第20次公募が始まりました。この補助金は、生産性を高め、新しい挑戦を行う中小企業の皆様を力強く後押ししてくれる、非常に価値のある制度です。

今回はこの最新の公募内容を中心に、皆様の事業をさらに飛躍させるための活用方法について、一つひとつ丁寧にお話ししていきます。

目次

そもそも「ものづくり補助金」とは?

まず基本からおさらいしましょう。ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者の皆様が、生産性を上げるための革新的な新製品・新サービスの開発や、海外への販路拡大といった挑戦をする際に必要な設備投資などの費用の一部を支援してくれる制度です。皆様の前向きな投資を後押しすることで、日本経済全体を元気にすることを目指しています。支援される金額は、申請するコースや会社の規模によって変わってきます。

【重要】第20次公募のスケジュール

何よりもまず、今回の募集スケジュールを確認しましょう。締め切りは絶対に守る必要がありますので、カレンダーへの登録を強くお勧めします。

第20次公募スケジュール
  • 公募開始: 2025年4月25日(金)
  • 電子申請受付開始: 2025年7月1日(火)17:00
  • 申請締切: 2025年7月25日(金)17:00
  • 採択発表(予定): 2025年10月下旬頃

申請はインターネット経由の電子申請のみです。そのためには「GビズIDプライムアカウント」というものが必要不可欠ですが、この発行には数週間かかることもあります。計画的に、早めの準備を始めましょう。

また、提出書類に不備があると審査すらしてもらえず、不採択となってしまいます。提出前には、何度も確認することが大切です。

補助金のコース(事業枠)の種類と詳細

ものづくり補助金には、主に2つのコースがあります。自社の計画にどちらが合っているか、じっくり見ていきましょう。

①製品・サービス高付加価値化枠

こちらは、革新的な新製品・新サービスを開発するための設備・システム投資を支援するコースです。

ここで最も大切なのは、ただ新しい機械を入れるだけではダメだということです。その機械を使って、他社にはないような、お客様を「あっ」と言わせるような新しい価値を生み出すことが求められます。既に多くの会社がやっているような取り組みは対象外となるので注意が必要です。

  • 補助上限額:従業員数に応じて変わります。
    • 5人以下: 750万円
    • 6~20人: 1,000万円
    • 21~50人: 1,500万円
    • 51人以上: 2,500万円
  • 補助率:中小企業は1/2、小規模事業者などは2/3です。
  • 対象経費単価50万円(税抜)以上の機械装置・システム構築費が必須です。その他、技術導入費や専門家への依頼費用、試作品の原材料費、外注費なども対象になります。中古品の購入も可能ですが、3社以上から見積もりを取るなど、ルールが細かく決まっています。

②グローバル枠

こちらは、海外事業を通じて国内の生産性を高める取り組みを支援するコースです。海外への直接投資や輸出、インバウンド対応などを考えている会社にとっては、非常に大きなチャンスです。

  • 補助上限額3,000万円
  • 補助率:中小企業は1/2、小規模事業者は2/3です。
  • 対象経費:上記の経費に加え、海外出張の旅費通訳・翻訳費、現地の広告宣伝費なども対象となります。特に、海外での事業展開に直接かかる費用が幅広く認められるのが魅力です。

自社の事業計画にどちらの枠が最適か、判断に迷う場合はお気軽にご相談ください。最適な選択を一緒に考えましょう。

【要注目】さらに有利になる特別な条件(特例措置)

特定の条件を満たすことで、より手厚い支援を受けられる特別な仕組みがあります。

1. 大幅な賃上げで補助上限額アップ

従業員の皆様への大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助金の上限額が最大1,000万円も上乗せされます。

ただし、これには厳しい条件があります。もし約束した賃上げが達成できなかった場合は、追加で受け取った補助金は全額お返しする必要がある上、基本の補助金についても一部返還を求められます。実現可能な計画を立てることが何よりも大切です。

2. 最低賃金引き上げで補助率アップ

一定の条件を満たした事業者が最低賃金の引き上げに取り組む場合、補助率が2/3に引き上げられます。従業員の待遇改善を考えている事業者にとっては、非常に有利な条件と言えるでしょう。

必ず達成すべき目標(補助対象要件)

補助金を受けるためには、これからお話しする「基本要件」をすべて達成する事業計画を立て、実行するという「約束」をする必要があります。非常に重要な部分ですので、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。

達成必須の基本要件
  1. 付加価値額のアップ: 事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を、年平均3.0%以上増やすこと。
  2. 賃金のアップ: 全従業員の給与支給総額を年平均2.0%以上増やすなど、定められた目標を達成すること。
  3. 事業所内最低賃金のアップ: 事業所内の最低賃金を、毎年、地域の最低賃金より30円以上高い水準にすること。
  4. 仕事と子育ての両立支援(従業員21名以上の場合): 「くるみんマーク」などで知られる、次世代育成支援対策推進法に基づいた行動計画を策定し、公表していること。

これらの目標は、申請時に従業員の皆様にもしっかりと表明する必要があります。もし目標が達成できなかった場合は、補助金の一部、または全額を返還しなければならない場合があります。ただし、天災など、ご自身の会社の責任とは言えない理由がある場合は、返還が求められないこともあります。

さらに、グローバル枠に申請する場合は、海外事業に関する具体的な計画や社内体制が整っていることを示す追加の要件を満たす必要があります。

対象にならない事業・事業者・経費

残念ながら、誰でも、どんな事業でも対象になるわけではありません。ここでは、特に見落としがちな「対象外」のケースについて、いくつかピックアップしてお話しします。

  • 対象外の事業: 資産運用的な事業(コインランドリーなど)、購入した設備を他に貸すだけの事業、公序良俗に反する事業、他の公的補助金と内容が重複する事業など。
  • 対象外の事業者: みなし大企業(親会社が大企業など)、過去3年間の所得が平均15億円を超える事業者、過去にものづくり補助金の不正などがあった事業者、暴力団関係者など。
  • 対象外の経費: 工場の建物や土地、基礎工事費事務用のパソコンや汎用ソフト、家具など他の目的にも使えるもの、家賃や水道光熱費、自社の人件費、振込手数料や消費税など。

「これは対象になるだろうか?」と少しでも迷ったら、自己判断せずに必ず確認することが重要です。

申請プロセスと知っておくべき重要事項

申請から事業完了までには、守るべきルールがたくさんあります。

  • GビズIDの早期取得: 何度も言いますが、申請の「鍵」となるIDです。すぐに手続きを始めましょう。
  • 申請はご自身で: 申請内容を一番よく理解しているご自身で申請してください。IDの貸し借りや申請の丸投げは絶対に認められません。
  • 見積書は複数社から: 費用の妥当性を示すため、原則2社以上(中古品は3社以上)から見積もりを取る必要があります。
  • 支払いは銀行振込で: 経費の支払いは、原則として会社の銀行口座からの振込で行ってください。
  • 書類の保管義務: 補助金に関わる書類は、事業が終わった後も5年間保管する義務があります。
  • 事業化状況の報告義務: 事業完了後も、最長5年間、事業の状況を毎年報告する必要があります。
  • 財産の処分制限: 補助金で買った50万円以上の機械などは、勝手に売ったり捨てたりできません。もし処分する場合は、事前の承認と補助金の返還が必要になる場合があります。
  • 口頭審査の可能性: 一部の事業者は、オンラインでの口頭審査の対象となることがあります。この審査は、会社の代表者お一人で対応していただくことになります。事業への熱意と計画の実現性を直接伝える、大切な場となります。

気になるものづくり補助金の採択率は?

過去の採択率を見てみましょう。

  製品・サービス高付加価値化枠グローバル枠
18次公募申請者数5,015163
採択者数1,82739
採択率36%24%
 過去採択率(全体)
17次29%
16次49%
15次50%
14次51%
13次58%
12次58%

出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構 ものづくり補助金のご案内

https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_guide/subsidy_info/manufacturing_subsidy.html

第18次公募では、製品・サービス高付加価値化枠が約36%、グローバル枠が約24%でした。過去には50%を超えていた時期もあります。

ご覧の通り、採択率は回によって変動します。決して簡単な道のりではありませんが、しっかりと練られた事業計画であれば、チャンスは十分にあります。

困ったときの相談窓口

公募要領には事務局のサポートセンターの連絡先が記載されています。また、よろず支援拠点のような公的機関でも相談が可能です。

もちろん、私たちのような専門家にご相談いただくことも有効です。

「自社の計画が補助金の対象になるのか」「事業計画書の作り方が分からない」など、どんな些細なことでも構いません。まずはお気軽に北澤までお声がけください。皆様の挑戦を全力でサポートします。

貴社の現場は、もっと良くなる。
その可能性を、私たちと一緒に見つけませんか?

まずはお気軽にご相談ください。
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